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日本物理学会第61回年次大会シンポジウム
領域名: | | 素粒子理論・素粒子実験・理論核物理・実験核物理合同 |
題目: | | 朝永振一郎生誕100年記念シンポジウム -くりこみ・集団運動・科学と社会- |
提案者: | | 宇川 彰 筑波大学計算科学研究センター・数理物質科学研究科物理学専攻 |
プログラム:
「朝永先生生誕100年にあたって」 | | 宇川 彰 | (筑波大物理) |
「くりこみ理論と量子電気力学」 | | 木下東一郎 | (コーネル大学名誉教授) |
「東京教育大学時代の朝永振一郎」 | | 亀淵 迪 | (筑波大学名誉教授) |
「朝永・Luttinger流体と一次元強相関電子系」 | | 川上則雄 | (大阪大学工学部) |
「科学と社会に取り組んだ朝永振一郎」 | | 小沼通二 | (慶應義塾大学名誉教授) |
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2006年3月31日は,朝永振一郎博士生誕100周年にあたる。本シンポジウムはこれを記念して,氏の代表的業績であるくりこみ理論,集団運動の理論の現代的意義を俯瞰し,さらに,大学人としての氏の人となりや,戦後の我が国における科学の振興と社会との関りに果たした役割を振り返ることを目的として,筑波大学朝永振一郎博士生誕100年記念事業委員会の支援を受けて行われた。
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木下氏は,量子電気力学とくりこみ理論の発展の歴史において朝永グループの果たした役割を戦前にまで遡って論じ,さらに自らの電子の異常磁気能率の高次計算の現状を述べた。
亀淵氏は,戦後から1960年代に跨る東京教育時代の朝永博士を,多くの写真や逸話とともに回顧してその人となりを彷彿とさせた。
川上氏は,プリンストン時代に始められた一次元電子ガスの集団運動の理論が現代に至って確固とした基礎付けと広い応用を持つ分野へと成長していることを概観した。
小沼氏は,東大原子核研究所の設置や日本学術会議会長などを通じて科学と社会の接点に関わった朝永博士の真摯な努力を回顧した。
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シンポジウム当日は,開始の1時間まえから聴衆が集まり,284人収容の会場が溢れるほどの盛況であった。朝永振一郎の人と業績の現代に繋がる意義について若い研究者層にも触れる機会となったことを望む。
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(2006/05/20) 当日の様子はこちらをご覧ください。
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